霊感なんてあまり信じてなかった話9
それからは。
照明の電源をパッと落とすと、
"私"は、ばたんと床に寝そべるように倒れた。
桑原さん「…………………………本当は、居なくなりたいわけじゃなくって。ただ、素直になれなかっただけなんだよね。今も。」
ううう……。うぅ……。
呻き声が何処かから聞こえていたことは覚えていた。後で聞いた話では、それも私の声だったらしい。
桑原さん
「苦しかったよね。寂しかったよね。だからさ、今度部屋に戻ってきてよ。そんで、また蘭君とお話しよう。」
うぅ…………。
桑原さん
「だから少し、ごめんね。ちょっとだけ離れてもらうからね。……………………」
そこからは、お経を詠んで簡単に引き離して、その夜は終わった……らしい。
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次の日の朝、
ぐしゃぐしゃに濡れた顔で目覚めた私に桑原さんが言った。
桑原さん
「おはよう。無理して喋らなくていいからね。朝食を用意してあるから、顔だけ洗って、隣の居間にきなさい。」
俺「あの…………。」
桑原さん「説明は後々。疲れたでしょう。食べながら、話そっか。」