霊感なんてあまり信じてなかった話8
「泣きながら、二人で話をしました。好意の気持ちは嘘ではないけれど、それは過去に戻れない妥協の上にこの恋愛をしている、と分かった時には2人とも泣いていました。」
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栞さん「そっか。私も人のこと言えないけどさ……本当、私達って最低だよね。ごめん。」
俺「よく分からなくてごめん。」
栞さん「……じゃぁ家は出ていった方が良いかな?」
俺「いきなりは無理だろうし、嫌いになったとかじゃないからいつでもいいよ。」
栞さん「分かった。……そろそろバイトだよ。平気?」
俺「うん。そろそろ行く。じゃあまたね。」
栞さん「行ってらっしゃい」
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「これが栞さんとの最後の会話でした。バイトから帰った家には、栞さんの携帯も財布も全てが置かれて、栞さんだけが居なくなっていました。」
失踪したってこと?
「身分が分かるものは全て抜かれている状態の財布がありました。携帯はありましたが、ロックがかかっていて開けられませんでした。警察にもいきましたが、何よりも私との関係性が親族でもない、正式に同居をしていた訳では無いので、捜索願いも出して貰えませんでした。」
「バイト先の履歴書のコピーの実家等は全てデタラメでした。」
それから数ヶ月、数年と月日が経って……もうどうしようもなくなって。
「栞さんの事は忘れなきゃいけないってどこかで思って、今まで過ごしていました。」
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ここから先は記憶が飛んでいます。
起きた時には気絶していたので、後で桑原さんに聞いた概要となります。