霊感なんてあまり信じてなかった話11
守ってくれていた霊は、おそらく私の祖母に当たる人だと思う。
私の父の母に当たる人は、私が生まれるよりも前に家を出たという話を幼少期に聞いた。今聞いてもあり得ない話だが、父が子供の頃。祖父は何気ない喧嘩から祖母を追い出したそう。
元々、父は祖父への不信感が強く(祖父の代よりも上までは組にも入っていたとかなんとかで、親指がないわ、虐待はするわが当たり前の家庭だったと壮絶な話も昔聞いた)、そんな中で、自分の母親を一方的に家から追い出したことで、父と祖父の関係は最悪になっていた(らしい)。
また、勝手に母を追い出したにも関わらず、生活力のない祖父に2人の子供を育てる力はなく、住み込みの家政婦を「疑似的な母役」として雇っていた。
この住み込みの家政婦のことを、私は物心がつくまでは【実の祖母】だと勘違いしていた。
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祖父がなくなったのは、約5前のことだった。死とともに、家政婦さんは姿を消し、闇の思い出しかない家と土地はすぐに売りに出したという事後報告を父に聞いた。
私を護ってくれていたのは、おそらく、家を追い出された祖母に当たる人なんだろうなと直感で思った。これを調べる術はおそらくないが、自分を守ってくれる年老いた人の霊というのはここしか思い当たる節がなかった。
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桑原さんの話を聞いて、祖母が私を護ってくれているのだと嬉しい半分、もう死んでいるんだという事実で哀しさを感じてしまった。
Mさん「で、もう一人いましたよね…?」
桑原さん「その子は気にしなくていいよ。2人憑いてたから、遊んでると思ってついてきちゃった浮遊霊だよ。学校の先生だと多分、住み着いてる霊もいるんだと思うよ。しばらくは憑いてると思うけど、普通に生活してたら学校にまた住みなおすから大丈夫だよ。」
M「へ…へぇ……」
と、自分に憑いていた霊の全貌を聞かされる頃には、ごはんも食べ終わっていた。
俺「……一緒に住んでいたアパートに行ってみようかと思います。」
桑原さん「そうしなさい。後は自分でできるかい?」
俺「はい。Mさん、また東京帰るまででいいので車出してもらってもいいですか?」
M「それはいいですよ。」
そうして、私は桑原さんの家を出ることになった。
Mさんの車の中では、当時住んでいたアパートを管理している不動産屋に電話をして、一度外観だけでも見させてもらえないかと頼んだ。
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そろそろ終わります。15くらいで締めれたらいいなと思っています。