霊感なんてあまり信じてなかった話6
簡単な自己紹介とMさんと会ったきっかけを話し終えると、桑原さんは少し声のトーンを落として話し始めた。
桑原さん
「さて、早速だけど。蘭君にひっついてる霊だけど。危ないのは多分1人かな。そんで、この人は【死んだ人の霊じゃない】よ。」
俺「……?えっと……。」
桑原さん「まぁ、分かりやすく言えば生き霊って言葉が分かりやすいかな。Mさんは憎悪とかそんな風にいってた見たいだけど、憎しみよりも執着心が君についたって感じかな。」
執着。
誰が、何に。
桑原さん「で、あともう1人君の1番近くにいるのは、完全に浮遊霊だよ。でも、視た感じお年を召してる感じがあるのと、生き霊と拮抗して君を守ろうとしてるんだけど……何か心当たりはある?」
守られてる…おばあちゃんに?
桑原さん「あともう1人は、子どもの霊だけど。これは多分いちばん干渉してないから、仕事的に何処からついてきちゃったのかな。そばに居るけど、何もしてないからその子はひとまず置いとこうか。」
俺「はい………。」
1人が生き霊、1人がおばあちゃん、そして1人が子ども。経験したことの無い情報量と、時間はおそらく1時を回っていた事もあり、もう、クラクラしていた。
桑原さん「それじゃぁ……生き霊の、多分、蘭君とほぼ【同年代の女性の】思いたる話を少し聞こうか。」
私は、
まだ、桑原さんには何も話していないはずなのに。
きっとMさんが簡単に話してくれたんだろう。そんな風に考えながらも、思い当る栞さんの話を、また桑原さんにし始めた。